アゼルバイジャン・バクーで数日休んだあと、美しいと言われるシェキにやってきました。バクーは近未来的な大都会なのですが、バクーから一歩郊外へ出ると、長閑な田舎町が広がります。
世界遺産にも登録されている人気の古都シェキは、丁度良いサイズの落ちつく町でした。
【場所】シェキ
【滞在日】2019年8月27日~8月29日
【気温】最高25℃ 最低16℃
【通貨】1マナト≒61.9円
1.シェキとは
アゼルバイジャンの首都バクーから約400km離れた場所に位置する古都。古シェキはアゼルバイジャンで一番美しい古都ともいわれ、イランのサファヴィー朝の崩壊後にハ-ンが興した都です。
東西を結ぶシルクロードの中継地として、そして絹の産地としても栄えました。そのため市内の絹工房では絹を使った様々な工芸品が造られており、絹のスカーフがとくに有名です。
歴史的価値からシェキの歴史地区と、シェキハーン宮殿は世界遺産にも登録されています。
2.シェキの見どころ
2-1.キャラバンサライ
「キャラバンサライ」とはペルシャ語で「隊商宿」という意味。シルクロードを通る隊商のために、シェキハーンによって建てられた宿です。18~19世紀に建てられたこの宿は、コーカサス地方で最大の隊商宿であり、今現在も宿泊や食事処として利用されています。
歴史的な建物に泊まることが出来る機会はそう多くはありません。今回シェキ滞在2泊のうち1泊をキャラバンサライに宿泊しました。
※シェキのキャラバンサライはオンライン予約をすることが出来ません。予約は電話のみです。
お洒落な川沿いの道を上がっていくと、1軒の宿が見えます。
入場は無料。ただし、一般客は11時~19時、1階のみ入場可能。
中庭がある2階建ての建物。1階が主に倉庫や厠、管理人の住居などに利用され、2階が主に商人たちの宿泊施設となっていたようです。
そしてこの庭でも絨毯や絹、陶器などの取引が行われていたそう。
まるでタイムスリップしたような感覚。
2階は宿泊者専用フロア。
夕刻以降になるとまた違った雰囲気。ライトアップした夜のキャラバンサライを楽しむことが出来るのは、宿泊者の特権です。
昼は観光客が訪れるキャラバンサライですが、夜は静寂な時間が流れています。
今回はシングルルーム20マナト(1,238円)に宿泊。右奥です。
歴史的建造物が宿泊所になっている場合、値段が高いことが殆どだと思うのですが、このホテルはすごくお手頃価格だと思います。
扉を開けると1部屋玄関スペース。
中に入ると、机とシングルベッドのシンプルな部屋。
石積みの壁が歴史を感じます。
トイレシャワー付き。ホットシャワーです。
建物自体古く、設備も古いまま。若干掃除が行き届いていない部分があり埃も少し見受けられるため、快適さを求めるのであれば、他のコスパの良い安宿に宿泊したほうが良いと思いです。
ただそうはいっても、300年前には隊商が宿泊し商品の取引が行われていた場所。この古さが逆に雰囲気を醸し出し、情緒ある宿泊する価値のある場所でした。
2-2.シェキハーン宮殿(夏の離宮)
18世紀の統治者だったシェキハーンの宮殿です。実はシェキには宮殿がもう一つあり、こちらのシェキハーン宮殿は「夏の離宮」、もうひとつは「冬の離宮」とも呼ばれています。
夏の離宮であるこのシェキハーン宮殿は、キャラバンサライと並ぶシェキ最大の見どころのひとつ。入場料5マナト(=310円)。
この街の中心部から宮殿までは上り坂なので結構大変。マルシュ(11番)での移動が楽です。0.3マナト。
城壁に囲まれた宮殿です。
どことなく旧ソ連らしさを感じるアートな壁紙。
こちらがシェキハーン宮殿。
モザイク画の外壁も美しいのですが、内部の壁・天井画も圧巻でした。外壁のデザインとは全く趣の異なるデザインです。凄く美しいのですが、この宮殿は内部の撮影NG。残念。写真はありません。
ただ、似たような内装で写真撮影できる場所があります。それが冬の離宮。詳しくは下記にて。
トルコアイス。思わず購入。
2-3.シェキハーン宮殿(冬の離宮)
シェキにある2つのシェキハーン宮殿のうちの一つ。冬の離宮。
シェキの観光地としては夏の離宮が一番有名。そのため、シェキを訪れた観光客の方が殆どは夏の離宮を訪れるのですが、冬の離宮を訪れる観光客はごくごく僅か。ただ、夏の離宮は内部の写真撮影不可なのに対して冬の離宮は写真撮影可能。個人的に感じた、穴場スポットです。
冬の離宮は閑静な住宅街の中。少し分かりづらい場所にありますが、矢印の看板が各ポイントにあります。
入口は西側。凄くわかりづらいので地元民に聞くとスムーズです。
訪れた時には観光客はゼロ。入口で係員のお姉さんに入場料を支払います。5マナト(310円 カメラ撮影台含)
建物内は私だけ。貸し切り状態でした。贅沢です。
美しいステンドグラス。この建物は西向きです。そのため陽が落ちる午後・夕方は太陽の光によってステンドガラスの光が綺麗に浮き上がります。
カラフルな光は床を越えて、反対側の壁まで照らしていました。
内部には美しいデザインの壁。そしてモザイク柄の鏡がギラギラ。
夏の離宮と冬の離宮、どちらもすごく綺麗で建物の造り自体も似ているのですが、内部のデザインは少しだけ違いました。冬の離宮の方が、女性や鳥が多く、華やかな印象。
部屋一面、凄く豪華。
天井画。
すごく綺麗です。そして建物内には管理人も他の観光客もおらず私一人なので凄くゆっくりと回ることが出来ました。ここは凄くオススメ。写真撮影ができて雰囲気が良く、人も少ない。最高です。
↑Google mapの場所が微妙に違いました。入口の門は建物の西側です。
2-4.キシュにある古代アルバニア教会への行き方
シェキの街から北に5km、キシュという小さな町があります。そこに可愛らしいアルバニア教会があるとのことマルシュルートカで行ってみました。シェキもキシュも街の名前から可愛いです。
シェキの街の東側にあるバザールにキシャ行きの乗り合いマルシュがあります。バザールに面した北側の通りです。
15番バス。0.3マナト。下車時に支払いです。
約10分で到着しました。
↓このあたりのバス停で下車。帰りも同じ場所から乗ります。
シェキ同様、石畳の道。
入場料4マナト(=246円)。
狭い敷地に小さな教会。それがまた、こぢんまりとして可愛いです。敷地内には花が沢山。この空間凄く好みでした。
内部は博物館のようにかつての出土品などが展示されています。人骨も。
帰りも10分ぐらい待ってバスが到着。往復2時間ほどあれば十分観光することが出来ます。
3.シェキのご飯
3-1.シェキ名物ピティ
アゼルバイジャン料理のピティ。羊肉を野菜やひよこ豆と一緒にオーブンで調理する料理ですが、このピティという料理はシェキ発祥です。
地元の広にお勧めされた、Akhundov Parkとバザールの間にあるローカルレストラン。「PARK CAFE」
ピティ4マナト。ビール1マナト(=61円)ビールが安い!
ピティが入ったアツアツの器とパンと玉ねぎ。そし空のお皿。食べ方が分からずにいると、目の前で造ってくれました。
まずはパンを一口サイズにちぎって器へ。シソのような色の調味料を沢山掛けます。
濃厚な羊肉の出汁がでた、汁のみをパンをちぎった器に入れてパンを浸します。
そして食べる。癖のある羊肉の汁が濃厚すぎ、かなりオイリーで少し苦手…。生玉ねぎが美味しく感じます。
パンに満足したら、残りの具材を全部入れて潰してまぜます。羊肉、野菜、ひよこ豆などたっぷり濃厚。イランで食べたディジーに似ていますが、味はディジーの方が断然好みでした。
アゼルバイジャンのピティは凄く油っぽいです。
ブログでも苦手、という記事をよく見ましたが、私も少し苦手な味でした。食べられるけど、とにかく油っぽい。
↓大体の場所。バザールのある通りから公園に向かう道沿いにあります。
3-2.SM Beer Pub
キャラバンサライの近くのビールバー。こちらではビールを自分で注いで飲むことが出来ます。
ビールはテーブルに備え付けられた樽から自分で注ぐ方式。
1杯0.4L 2マナト(=120円)です。 ビールだけ1~2杯飲んで帰る地元人が目立ちました。雰囲気も良く、美味しくかったです。
高くなく良いお値段、と思っていましたがPARK CAFEのビールが1杯1マナトなのでそちらの方が安いですね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
はじめまして。かな?
以前、旅のはじめのほうで拝見してましたが、しばらくご無沙汰していました。
シェキ、はじめて知りましたが、すごく素敵な街ですね。
写真付きの素敵な解説付きで知ることができてよかったです。
いつか行ってみたい街がまたひとつ増えました。自分の場合はいつ叶うことやらわからぬ夢の旅ですが。
この先もお体に気を付けて旅を続けてください。
ブログ記事の配信、これからも楽しみにさせて頂きます。
はじめまして。コメントありがとうございます。
シェキはこじんまりとしていて落ち着く町でした。また街並みは全く違うのですが、川沿いに並ぶ家はどこか日本に近い雰囲気があり、個人的に好きな街です。機会があればぜひ訪れてみてください。
ゆっくりとしたペースですがブログ配信を続けていくので、また気が向いたときにでも読んでいただけると嬉しいです。ありがとうございました。