世界一周の準備物の中でパスポートの次に重要かもしれない海外旅行保険。
5年前は10万円/年程度で入ることができましたが、現在は海外旅行者や保険利用者の増加から保険料が2~3倍以上となっているようです。
保険料は安く抑えたい!けど、補償はしっかりしておきたい!ので、どこの保険が良いのか、徹底的に調べました。私の予算は20万円程度です。
その結果、私が使う海外旅行保険はアリアンツ社のグローブパートナーとクレジットカード付帯保険の併用にしようと思います。
この保険会社を選択した過程(補償の必要額・人気の保険会社・1年間の料金・保険料の比較など)についてご説明します。
海外旅行保険の必要性
長期旅行となると、保険に入る人が大半だと思いますが、なぜ保険に入る必要があるのでしょうか。
海外旅行保険が重要な理由として、主に2つあります。
医療費が高額
海外では日本のように健康保険が効かないため、ほとんどが自己負担となります。入院すると数百万~数千万円かかることも・・・。ちなみに、アメリカ人の自己破産の原因の6割は医療費だそうです。
トラブルが起こりやすい。
海外旅行中はケガや病気、盗難や航空便の欠航など様々なトラブルに遭う可能性があります。
ジェイアイ傷害火災保険株式会社によると、2017年度の海外旅行中の海外旅行保険で補償となる事故の発生率は3.42%29人に1人がなんらかのトラブルに遭っている計算です。
さらに、海外は、日本よりも治安が悪い上に持ち運ぶ荷物は多くなり、トラブルに遭う確率も高くなります。これらの背景からも、外務省も海外旅行保険への加入を推奨しています。
必要な補償と必要額
ジェイアイ傷害火災保険株式会社の調べ(2015)では、海外であるトラブルの95.4%は上位3項目が占めているそうです。
1位:治療・救援費用(49%)
2位:携行品損害(32.5%)
3位:旅行事故緊急費用(13.9%)

疾病・障害治療費用 300万以上
ケガや病気で病院にお世話になったときに必要となる治療・入院費の補償。
アジアなら300~500万、他地域は~500万、アメリカは1000万あると安心です。ただし、私の場合、アメリカや南極に行くため1000万円以上付けておきたい・・・。
救援費用 300万以上
トレッキング中の病気や遭難で飛行機で捜索・救助費用や、本人が入院して家族が見舞いに来る際、現地までの交通費や滞在費、死亡した場合の遺体輸送費の補償。
携行品損害 10~30万円
旅行に持って行った所持品が盗まれたり壊れたりした時の補償。
準備費にどれだけかけるか次第です。パソコンやカメラなど高額品を持ち歩く場合は10~30万つけておいた方が安心です。ただし、記載されている補償額は多くの場合「1旅行あたりの補償額」であることに注意が必要です。
疾病傷害死亡/後遺傷害 0円
死亡したり後遺症が残ったときに支払われる補償。扶養しないといけない相手もいないため私には不要。
個人賠償責任 1000万円
第三者に怪我をさせたり物を壊したりしたときの補償。必要になる可能性は低いですが、必要になると高額になる可能性があります。
航空機遅延・航空機寄託手荷物
飛行機遅延による滞在費や、荷物を受け取れなかったときに必要となる生活用品の補償。ただし、遅延補償は規定が厳く、そのために保険料を上げるなら保険を付けなくてもよいかな、と思ってしまいます。保険料次第です。
南極ツアーに参加する場合、旅行保険への加入が必須です。
必要補償額の規定はツアー会社によって異なります。例えばポーラー社の場合、「南極からの緊急避難には$150000まで掛かる場合があり、この金額を下回ることのない補償額の保険の加入をお勧めします。」クォーク社の場合「旅行者は最低でも日本円で3千万円以上の海外旅行保険への加入が必須です。」と記載されています。
つまり、クレジットカード付帯保険ではカバーできません。
また、いずれのツアー会社の場合も保険名や証券番号など提出する必要があります。
人気の保険会社を比較
日本の保険会社から簡単にご紹介します。基本的に日本の会社は高額。20~40万円/年も掛かります。
結論からいうと、日本の会社で安い保険会社は、保険デザインパートナーズとSuMi TRUST CLUBカード会員専用保険の2つです。
➊金子秀人損害生命保険事務所
実績十分!数年前の世界一周旅行保険といえば金子秀人損害生命保険事務所!という程、世界一周旅行者の間では有名な保険会社です。利用者が多いため、サポート面も安心、対応も丁寧と評判です。
以前は人気な保険仲介会社でしたが、現在は値上がりしており、他の選択をする人が増えてきている様子・・・。20万円/年以上です。
➋エイチ・エス損保
治療救援費1000万円の最安プランで20.7万円/年、無制限プランは20.6万円/年~。ただし、1年間までしか契約が出来ません。
❸東京海上日勤
賠償責任保険を付けて17.8万円/年~です。治療救援費用無制限の場合も21.9万円。
大手保険会社で安心も欲しい、という方には東京海上日勤オススメです。
❹保険デザインパートナーズ
京都の保険仲介会社。日本の保険の中では珍しくバラ掛けができます。補償の有無や補償金額を選択することで、金額を抑えることが出来ます。2019年時点の日本の保険の中では一番安いと思われます。
保険料はホームページ上に記載されておらず、問い合わせが必要です。15万円前後~/年です。ただし、保険料を安くしすぎると、補償が手薄くなる可能性はあります。
・保険は必要なものだけ、バラ掛けで安くしたい
・ひとつの保険だけで済ませたい
・日本の保険会社で通訳サービスやキャッシュレス診療などサービスを手厚くしたい
❺SuMi TRUST CLUBカード会員専用保険
SuMi TRUST CLUBカードは年会費3000円~のクレジットカードで、カード会員向けに「海外旅行保険プラス」という旅行保険を取り扱っています。
他の日本の保険会社にはない特徴として、日本の保険で唯一、カード保険付帯の補償終了期間終了後、継ぎ足しの形で保険契約が可能です。(この保険以外のすべての日本の保険会社は、補償を受けるために、出国時からの保険加入が必須となります。)
つまり、出国から3ヵ月はカード付帯保険のみ、4ヵ月目から海外旅行保険に入会、といったことも可能なため、保険料節約になります。
例えば、海外旅行を1年間と設定する場合、最初の6ヵ月をクレジットカード付帯保険のみ、残りの6ヵ月を保険会社と契約とすると、保険料はたったの83,450円(6ヵ月 N2プラン)となります。
・旅行期間が短期間
・病院での通訳サービス、キャッシュレス診療などサービスを手厚くしたい
・クレジットカード付帯保険のみの期間があっても問題ない
・日本の保険会社でとにかく安く抑えたい
SuMi TRUST CLUBカード会員専用保険がオススメではない人
・旅行期間が長期間(保険料自体は保険デザインパートナーズと同程度)
・もっと安く抑えたい
・クレジット付帯保険のみの期間があるのは不安
クレジット保険付帯については、90日以上の長期海外旅行保険もクレジットカードで【利用付帯裏技】by海外旅行保険研究所で詳しく説明されていました。
その他、三井住友海上や損保ジャパン日本興亜、あいおいニッセイ同和損保は40万円/年 以上でした。超高額です。
※以前人気だったAIUは2018年よりAIG損保となり、観光目的では最大半年までとなってしまいました。
・日本語対応の安心感
・キャッシュレス診療(が多い)
・病院での日本語通訳サービス
・携帯品損害がある
日本の保険会社のデメリット
・高額
続きまして、海外の保険会社です。海外の有名な保険会社は主に2つ。日本の会社に比べて格安で、日本を出国後に加入することが出来ます。
つまり、最初の3ヵ月はクレジットカード付帯保険のみで、その後保険会社という方法も可能なので、期間が短くなる=保険料がさらに安くなります。
❻グローブパートナー
グローブパートナーはドイツのアリアンツ社の保険で、旅行者向けに無駄を省いた保険です。一年間で708€(=8.9万円前後)と格安です。日本を出国後にも加入することが出来ますが、出国時から何かしらの保険(クレジットカード付帯保険など)に加入していることが条件です。
・1年間の保険料は最安
・日本語対応(HP、保険金請求)
・治療費・救援費無制限の他、補償充実
・キャッシュレス対応(入院のみ)
・歯科治療にも対応(日本の保険会社は非対応!)
デメリット
・携帯品損害がない
・通院の場合、自分で支払って後から保険会社に請求する必要がある
・病院受診時の日本語通訳サービスはない
➐ワールドノマド
ワールドノマドは元バックパッカーが創設したオーストラリアの保険会社で、ワーホリや海外長期渡航者に人気です。日本を出国後にも加入することが出来ます。
グローブパートナーよりは割高ですが、その分補償は手厚くなります。もちろん日本の保険会社と比較すると補償内容の割に安いです。
保険プランはスタンダードプランと医療費無制限となるエクスプローラープランの2つ。試算では1年間でスタンダードプラン1,538$、エクスプローラープランは1,724$でした。アメリカを訪れない場合、スタンダードプラン1年間で1,200$程度となります。
・補償額が高い割に保険料が安い
・携帯品補償あり、増額可能
・エクスプローラープランは医療費無制限
・危険なアウトドアスポーツ(スキューバダイビングなど)も補償対象
デメリット
・キャッシュレス機能がない
・日本語非対応。保険金請求もすべて英語
・日本語HPがない
・免責金額(自己負担額)が毎回100$と高額
・病院受診時の日本語通訳サービスはない
私はグローブパートナーにしました!
日本の保険はとにかく高い。
SuMi TRUST CLUBカードも世界一周が1年間であれば恩恵を受けられるのですが、私の場合2年弱と長期間なので、結局30万円以上費用が掛かってしまうんですね。
ということで、海外の保険会社を考えました。
ワールドノマドも海外旅行者の間では人気ですが、キャッシュレス診療がないというのが最大のデメリットでした。アメリカだと入院費が1000万円になる可能性もあり、支払いが到底出来ません・・・。
そこで私は保険料最安で、なおかつ補償額充実のグローブパートナーに決定しました!
保険会社に支払う保険料は旅行期間22ヵ月で、最初の3ヵ月はクレジットカード付帯保険2枚併用、残りの19ヵ月をグローブパートナーで費用は1121€(=14.1万円程度)の予定です。
グローブパートナーには、携帯品損害がない、通院はキャッシュレス対応でないというデメリットがありますが、そのことについては、なんとか他の保険でカバー出来ると思われます。これら、グローブパートナーに決定するにあたって考えたことを、後日詳しくまとめとよう思います。
→記事をupしました。
旅行期間中のすべてをクレジットカードの付帯保険のみで補償することも理論的には可能ですが、補償額が低く心許ないため、しっかりと保険加入することにしました。
以上、世界一周の長期海外旅行保険を格安に抑える、というお話でした。私の選び方が皆さんの参考になれば幸いです。本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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